<前の話>
「お金が無いから無理」の言葉で「願いは叶わない」思考パターンが育てられたわたしの話を前回書きました
わたしの望みを却下し続けていた母自身、「望みは叶わない」人生を送ってきた人でした
物心つく前に母の両親は離婚
祖母は母を連れて再婚し、継父はいい人だったそうですが
少し酒癖が悪いところがあったらしく、継子として小さくなっていたそうです
その継父が戦死して、勉強好きだった母は進学をあきらめて、義務教育を終えると一家を支えるために働くことになりました
30歳を過ぎてお見合いで、祖母のいる大阪を離れなくていいという条件で父と結婚
10代から20代は母と妹を養うために費やしたので、当時としてはかなりの晩婚です

ところが、結婚して3年も経たないうちに、父の実家の事情で東京へ転居せざるを得なくなってしまうのです
父は祖父の店で働くため、母にとっては祖父母や父の兄弟姉妹に気を遣う日々だったと思います
そこで母は自分の夢を長女のわたしに託し始めます
それは進学して学校の先生になること
こどもってピュアなので簡単にすり込まれます
「わたしは学校の先生になるんだ!ただしうちはお金がないから塾は行かずに全部公立ルートでね!」
そして、無事に教員養成系の国立大学に合格します
こうして志望の大学に合格したわたしでしたが、ある人の一言で天地がひっくり返ります
「本当に学校の先生になりたいの?」
両輪は勿論、進学指導の先生にも一度として聞かれたことの無かった質問でした
わたし自身も自分に問うたことの無いことでした
いわゆる良い子の優等生だったので、教師志望と言えば、誰もが納得はしても疑問を抱かれることは無かったのです
「本当に学校の先生になりたいの?」
答えられませんでした
小学生の頃からずっと目指していたはずなのに
自分に自分で問いかけてみました
「わたしは本当に学校の先生になりたいの?」
どこかわからない、自分の奥から出てきた答えは
「ちがう」
でした
じゃあ、何がしたいのか?
「望みというのはかなわないものだ」が植え込まれているわたしには
自分の望みがわかりません
そこから始まったのが「とりあえず」のパターンでした