心から…

今朝一番に知ったニュースが中村勘三郎さんの訃報でした。
最近の報道で闘病生活が続いていることは知っていましたが、いつかまた気迫にあふれた舞台を拝見できるとばかり思っていました。

訃報で享年を知り、驚きました。
享年57歳。
わたしが子供の頃から舞台で活躍されていたので、もっと年上の方という印象でした。

あまりに早すぎます。

高校時代に見た歌舞伎教室で歌舞伎のおもしろさに目覚め
勤め始めて時間とお金に余裕ができるようになってから
毎月歌舞伎座に通ったものでした。

最初は歌舞伎ならなんでもいいという感じで手当たり次第に見ていたのですが
そのうちお気に入りが出来てきて、その筆頭が中村勘三郎(当時は勘九郎)さん。
特に好きだったのは「人情噺文七元結」の長兵衛。
ばくちに入れあげて借金まみれの左官職人。
そんな父を改心させようと娘が自ら身売りしてこさえた五十両という大金。
娘の思いを知り、やっと改心した長兵衛が帰る道で身投げをしようとしている男に出くわす…
という話です。

ばくちにうつつを抜かす大馬鹿者でありながら、一本気の善人である江戸っ子長兵衛に
大笑いして大泣きさせられた舞台です。

冒頭、借金のかたに着物まで取られた情けない親父が
自分の娘に心の中で手を合わせながらきっぱりと他人に見せる情。

笑いとシリアスを一人の人物の中に見事に自然に共存させられる役者さんでした。
勘三郎さんが舞台に立つと客席がぐぐっと引き寄せられるような感じがありました。

まさかこんなに早く逝かれるとは…
この数年歌舞伎鑑賞から遠のいていた自分が悔やまれます。
わたしのこんな悔しい気持ち以上にご本人はもっともっと…でしょう。

「今」という時間をもっと大切にしなければという気持ちでいっぱいです。

合掌


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