うつくしいことば うつくしいしぜん

足にも健康にも関係のない話で失礼します…。

先日「ロウソクの科学」のことを書きましたが、そのときに松丸本舗でもう一冊買ったのが
薄田泣菫(すすきだ きゅうきん)「独楽園」でした

この詩人・随筆家を知ったのは日本語教師時代。
一番上のレベルのクラスを担当していて並の教材では歯ごたえを感じなくなっている学生向けに教材のネタを探していたときのこと。
インターネットラジオの朗読チャンネルで聞いた「艸木虫魚(そうもくちゅうぎょ)」
滋味あふれる内容と声にうっとり。

教材として使うのには勇気もいりましたが、そのときのクラスのメンバーならいけると思って採用し結果は好評。
この日本語の文章が味わえる学生たちに感動したものです。

教材用にと買った「艸木虫魚」は愛読書になりました。

その後薄田泣菫の本を置いている書店というのが身近に無かったこともあって
ちょっと忘れかけていたところ、松丸本舗で久しぶりに再会できたというわけです。

「独楽園」はパーキンソン病にかかり外出もままならなくなった泣菫氏が、
自宅にいながらその庭や窓の外といった身近な世界の中で感得した
季節の移ろいや自然の恩恵を綴った随筆集です。

読んでいて心洗われる文章です。
何より、その日本語が美しくて…!

このところ「“うるさい”は“五月蝿い”じゃなくて“八月蝉い”って書いた方が良い!」と思っていた蝉の声も「独楽園」を読んでからは愛でる気持ちで聞けるようになりました。

ゆとりとか潤いとか…そういったものが失われつつあるように感じる今だからこそ
美しい日本語に浸り、身の回りにある実は豊かなものに気づく時間を持つことの意味を感じます。

ちなみに青空文庫にも「独楽園」「艸木虫魚」はありますが
わたしとしてはデジタルの画面で横書きで読むよりも紙の本をおすすめします。

「独楽園」を読んだ後、思わず撮ってしまった蝉の抜け殻


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